フォーカシングとは、哲学者でもあり心理学者でもあるE.T.Gendlinが、心理療法におけるクライエントの「変化」のエッセンスを、誰もが学べる技法として取り出したものです。背景には現象学的哲学と、C.Rogersによる人間性心理学、パーソンセンタード・アプローチにおける人の在り方や態度を大切にする姿勢があります。 フォーカシング指向のアプローチは、身体性や感覚をより重視しており、様々な技法と組み合わせることができます。つまり、このアプローチに立つと、皆さまが学ばれてきた様々な技法を「腑に落ちる」かたちで、より効果的に実践できるようになります。 話を聴くことや対人援助を通して、その人の生が進展し、その人らしく生きるために、私たちはどのようにその人と向き合ったらいいのでしょうか。また、援助に携わる私たち自身が、自分らしく生き、自分らしい支援の在り方を模索するために何ができるのでしょうか。このフォーカシングの背景にある考え方や技法の体験を通して、より生き生きと共に成長するためのヒントをお伝えしたいと思います。
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